赤坂鈴木デンタルオフィス
CMなどで盛んに歯周病を予防しましょうと流れていますが、その理由は歯を失う歯科疾患の第一位が歯周病だからです。歯周病は自覚症状がなく、症状を感じたときには歯を支える骨が大幅に溶かされていることも少なくはありません。
歯周病は歯を失うだけでなく、全身疾患との関連性も明らかになってきており、歯周病を放置することがあなたの健康を奪っていくリスクの高い疾患です。人生100歳時代、ストレスなく生活するためには、歯周病を改善し、予防していくことが重要と言えるでしょう。
先ほど歯周病は自覚症状がないと言いました。一方、歯周病のサインは必ずあなたに見える形で発信されています。痛みが無いからと言ってそのサインを見過ごさないことがとても重要です。以下に歯周病のチェックリストを記載しますので、照らし合わせてみて下さい。
これらの1つでも当てはまれば歯周病の可能性があります。仮に2つ以上当てはまると歯周病が進行していると言えるでしょう。4以上の症状が当てはまる場合は、歯を支える骨が溶かされていると考えられます。
歯周病は早く治療を行うことができれば治療も比較的早期に終わることが多く、進行すればするほど治療が長期化し、場合によっては抜歯が必要になったり、入れ歯やインプラントなどの欠損補綴治療が必要になります。
ステージⅠ
歯肉炎・軽度歯周炎
歯茎が炎症を起こしている状態の歯肉炎、歯を支える骨が少し溶かされ始めた状態の軽度歯周炎です。この状態を歯周炎ステージⅠと言います。1歯だけの場合もありますし、2〜3本連続して発症している場合があります。
ステージⅡ
中等度歯周炎
歯を支える骨が15%〜33%ほど溶かされてしまい、5mm以上の歯周ポケットがある、中等度歯周炎状態です。この状態を歯周炎ステージⅡと呼びます。中等度歯周炎の場合は1歯だけのことは少なく、隣接歯も歯周病になっているケースが多いです。歯周病の進行リスク(グレード)によって治療内容は変わります。
ステージⅢ
重度歯周炎
歯を支える骨が33%以上溶かされており、6mm以上の歯周ポケットがある、重度歯周病の状態です。この状態を歯周炎ステージⅢと呼びます。重度にまで進行すると、歯の動揺が見られ、咀嚼困難になります。
また、歯磨きでの出血量が多く痛みもあります。歯周炎によって歯の喪失リスクが非常に高い状態であると言えます。垂直に歯を支える骨が溶かされている場合は、再生療法が出来ない場合もあります。
お口の中が歯周病の原因である細菌に侵されない状態を取り戻す治療です。主に、歯肉縁上・歯肉縁下の歯石やバイオフィルムを取り除き、適切なブラッシングを行うことです。
歯周病の状態によっては、歯を残すことが難しい歯の抜歯や矯正治療、歯の固定などを行う場合もあります。歯周病の進行状態に関わらず、まずは歯周基本治療からスタートします。
歯周基本治療を行った後、必ず再評価を行います。再評価を行った結果、改善が見られなかった場合は器具の届かない場所に歯石が付着している可能性があるため、歯茎を切開して歯根面を露出させたうえで徹底したクリーニングを行います。
それと同時に根面を滑沢化することによって、汚れが付着しにくい状態にします。
適応する場合は、歯周外科治療と同時に歯周組織再生療法を用いて、失った歯周組織の再生を促します。
垂直に歯を支える骨が溶かされてしまっており、再生が難しい場合は非適応となります。また、適応であっても確実に歯周組織が再生されるわけではありませんので、十分に歯科医師の話を聞いてから決断しましょう。
歯周病治療後はメンテナンスを必ず行います。歯周病に完治はありません。いつでも再発をするので、再発させないようにする必要があります。
歯周病は虫歯などと違い、治療期間が比較的長くなります。何度も治療するのはストレスに繋がりますので、メンテナンスをしてストレスを少なくすることも重要です。
歯周病の状態によっては、残念ながら理想的な状態にならない場合があります。その際はSPTと呼ばれる歯周病のサポート治療を継続的に行いながら、歯を守っていきます。
歯周病の症状があって治療をご検討になられたら、お気軽にご相談ください。難易度の高い治療の場合は、連携している歯周病専門医をご紹介することも可能です。歯周病は放置しないことが何よりも重要です。歯を失わないためにも、一度検査を受けることから始めてみることをおすすめします。
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